第三話 上陸
「おお!!ファイブ!!もう到着なのか!」
部屋の椅子に腰掛けていたパパスが、声を上げた。
そして、新しい港に着いた。
よっぽど待ちくたびれていた様子だ。
「では、行くとしよう!」
父親の手を握り、息子が歩く速さに合わせた。
息子も、魅了するほどの笑顔を浮かべていた。
しかし、この笑顔も、一瞬で消える事になった。
「ルドマンさんのお通りだーーー!!!」
突如、響き渡る男の声に合わせ、一斉に並び出した。
現われたのは、いかにも金持ちそうな男だった。
その後ろに居るのは、二人の娘。
年は、自分と同じぐらいだ。
ただ、黒髪の女の子は、年上って感じがした。
「ルドマンさん、お通り下さい。」
船長が、敬礼し、頭を下げる。
「うむ。ご苦労だったな。」
船に乗り込もうと、足を踏み出した瞬間だった。
黒髪の女の子が、一目散に駆け寄ってきた。
パパスを、見据え、大声で怒鳴った。
「おじさん!ジャマよ!!!」
丁度妨げるような所に居たため、罵声を浴びてしまった。
ファイブが、女の子を睨みつける。
一瞬、目が合ってしまった。女の子は、ファイブに近寄ってきた。
顔を覗き、頬を抓る。
初対面で、こんな扱いを受けるのは、初めてだった。
「何、あんた。文句でもあるの?」
「な・・・・なんでもないです・・・」
俯き、痛みで涙が溢れるのを必死に堪え、抓ってる手を、無理矢理剥がした。
女の子は、ジロッっと怖い目つきで見据えた。
「・・・・・・・いい度胸してるんじゃない・・・。いいわ。私はデボラ。あんたみたいなクズとは気は合わないわね。」
吐き捨てるように言うと、その場を去っていった。
「まったく、我侭娘は・・・・恥を知れ!!」
独り言に呟くと、後ろに居た青い髪の女の子に振り向く。
少し、身長が低く、台座には、まだ届かなかった。
「どれ・・・・・私が手を貸しましょう。」
そっと手を差し伸べると、手を取り、なんとか船に乗れた。
パパスは、少しルドマンと話をしていた。
「大丈夫・・・・?」
赤く腫れた頬を、ハンカチで、そっと押さえてくれた。
泣きべそをかきながらも、礼を言った。
「貴方、男の子でしょ?強くなってね。」
頬に、そっと手が触れた。思わず心臓の鼓動が速まる。
「ん・・・・?フローラ、行くか。」
「はい、お父様。」
上品な言葉を使い、船に乗り込んだ。
ハンカチを返すのを忘れ、船は出発してしまった。
ハンカチは、袋の中に入れた。
「ファイブ、どうかしたか?」
その場を呆然と見据えているファイブは、父の声で意識は戻った。
パパスは、男性に呼び止められ、しばらく話をしていた。
こっそりと、外に出た。
此処は、魔物が居るから、行ってはいけないと、耳に蛸が出来るくらい言われた。
「少しぐらい・・・・・・いいよね?」
好奇心旺盛な心は、止まらなかった。
進むと、草叢から、何か蠢いているのが目に入った。
「誰!?」
焦った声で、近くに落ちてあった木の棒を構えた。
奇声を上げながら、何かが襲ってきた。
草の陰から見えるのは、軟弱性な身体をし、青い色した生き物だった。
それは、正しく魔物だった。
部屋の椅子に腰掛けていたパパスが、声を上げた。
そして、新しい港に着いた。
よっぽど待ちくたびれていた様子だ。
「では、行くとしよう!」
父親の手を握り、息子が歩く速さに合わせた。
息子も、魅了するほどの笑顔を浮かべていた。
しかし、この笑顔も、一瞬で消える事になった。
「ルドマンさんのお通りだーーー!!!」
突如、響き渡る男の声に合わせ、一斉に並び出した。
現われたのは、いかにも金持ちそうな男だった。
その後ろに居るのは、二人の娘。
年は、自分と同じぐらいだ。
ただ、黒髪の女の子は、年上って感じがした。
「ルドマンさん、お通り下さい。」
船長が、敬礼し、頭を下げる。
「うむ。ご苦労だったな。」
船に乗り込もうと、足を踏み出した瞬間だった。
黒髪の女の子が、一目散に駆け寄ってきた。
パパスを、見据え、大声で怒鳴った。
「おじさん!ジャマよ!!!」
丁度妨げるような所に居たため、罵声を浴びてしまった。
ファイブが、女の子を睨みつける。
一瞬、目が合ってしまった。女の子は、ファイブに近寄ってきた。
顔を覗き、頬を抓る。
初対面で、こんな扱いを受けるのは、初めてだった。
「何、あんた。文句でもあるの?」
「な・・・・なんでもないです・・・」
俯き、痛みで涙が溢れるのを必死に堪え、抓ってる手を、無理矢理剥がした。
女の子は、ジロッっと怖い目つきで見据えた。
「・・・・・・・いい度胸してるんじゃない・・・。いいわ。私はデボラ。あんたみたいなクズとは気は合わないわね。」
吐き捨てるように言うと、その場を去っていった。
「まったく、我侭娘は・・・・恥を知れ!!」
独り言に呟くと、後ろに居た青い髪の女の子に振り向く。
少し、身長が低く、台座には、まだ届かなかった。
「どれ・・・・・私が手を貸しましょう。」
そっと手を差し伸べると、手を取り、なんとか船に乗れた。
パパスは、少しルドマンと話をしていた。
「大丈夫・・・・?」
赤く腫れた頬を、ハンカチで、そっと押さえてくれた。
泣きべそをかきながらも、礼を言った。
「貴方、男の子でしょ?強くなってね。」
頬に、そっと手が触れた。思わず心臓の鼓動が速まる。
「ん・・・・?フローラ、行くか。」
「はい、お父様。」
上品な言葉を使い、船に乗り込んだ。
ハンカチを返すのを忘れ、船は出発してしまった。
ハンカチは、袋の中に入れた。
「ファイブ、どうかしたか?」
その場を呆然と見据えているファイブは、父の声で意識は戻った。
パパスは、男性に呼び止められ、しばらく話をしていた。
こっそりと、外に出た。
此処は、魔物が居るから、行ってはいけないと、耳に蛸が出来るくらい言われた。
「少しぐらい・・・・・・いいよね?」
好奇心旺盛な心は、止まらなかった。
進むと、草叢から、何か蠢いているのが目に入った。
「誰!?」
焦った声で、近くに落ちてあった木の棒を構えた。
奇声を上げながら、何かが襲ってきた。
草の陰から見えるのは、軟弱性な身体をし、青い色した生き物だった。
それは、正しく魔物だった。
2008年08月27日 Posted by チャッピィーのドラクエ日記 at 20:22 │Comments(0) │TrackBack(0) │小説{ドラクエ5}
第二話 潮風
さっきまでは、何処かの城だった。
しかし、目の前には、城ではなく、殺風景な部屋だった。
どうやら、先ほどまで、眠っていたらしい。
睡魔に襲われ、父親パパスと一緒に、船に乗っていた。
眼を擦りながら、大きな欠伸をした。
「目が、覚めたのか・・・・?」
パパスが、息子ファイブの顔を覗き、微笑んだ。
意識が完全に覚醒し、頷いた。
「お父さん、僕、産まれた時の夢を見たんだ。何処か・・・・遠い国で・・・。」
パパスは、一瞬考え込み、苦笑した。
短い笑い声を上げ、頭を掻いた。
「ははは。まだ寝惚けているな。風に当たってきたらどうだ?」
頷き、再び欠伸をし、この部屋を出る。
パパスは、息子に、苦労をかけたくは無かった。
だが、今回の冒険・・人探しは、過酷なものだとは充分に理解していた。
母親は、ファイブを産み、直ぐに、魔物に連れ去られてしまった。
行方は知らず、ただ、人に聞き込みをしていた。
魔物は多く、危険な旅だったが、父親並に、息子を守り抜いてきた。
息子には、一つだけ伝えていない事があった。
しかし、この事は、誰かに知られたら、とんでもない事になるだろう。
「お父さん!」
剣の手入れに意識を凝らしていた為、少し驚いた。
声の主は、ファイブだった。
「おお、どうした?」
剣を一旦床に置き、息子の顔を見据える。
少し照れた様に、項垂れ、後ろの袋から何かを取り出した。
そして、父に誇らしそうに見せた。
「はい!これ、お父さんにあげるよ!!」
受け取ったのは、綺麗な緑の葉っぱだった。
そうか、もう、春は真近なのか・・・・・。
季節の移り変わりに切なさを感じながら、頬笑み、それを袋に入れた。
そして、頭を優しく撫でた。
「じゃあ、行って来るね!他の所、探検してくるよ!!」
駆け足で、部屋を出て行った。
潮風が、優しく頬を撫でていく。
柵に凭れ、少し溜め息を吐いた。
パパスは、忙しくても、我侭を言えば、少しは遊んで欲しかった。
仕方が無かった。年頃だから。
子供は、小さい時、遊ぶものなのに、何故、旅に行かなければいけなかったのか・・・。
でも、考えれば、パパスと、一緒に居られるだけでも、幸せだった。
母親の顔は知らず育ったものだから、すっかり‘お父さん子‘だった。
それに、召使のサンチョも居たっけ・・・・。
今頃何処で、何しているんだろう・・・・・・・・・。
暇だったので、そんなに広くない船の中を探検する事にした。
思わず憧れてしまう、船長が、運転していた。
「坊や、向こうで遊んでなさい。」
緑色の帽子を被った男の人が、注意を促した。
素直に従うと、息を切らしながら、こちらに向かってくる男性が目に入った。
「坊や、パパスさんに、もうすぐ到着だって事、伝えてくれないかな?」
呼吸が収まると同時に、ファイブに伝えた。
「いいよ。」
そう言うと、急いでパパスの所に走っていった。
しかし、目の前には、城ではなく、殺風景な部屋だった。
どうやら、先ほどまで、眠っていたらしい。
睡魔に襲われ、父親パパスと一緒に、船に乗っていた。
眼を擦りながら、大きな欠伸をした。
「目が、覚めたのか・・・・?」
パパスが、息子ファイブの顔を覗き、微笑んだ。
意識が完全に覚醒し、頷いた。
「お父さん、僕、産まれた時の夢を見たんだ。何処か・・・・遠い国で・・・。」
パパスは、一瞬考え込み、苦笑した。
短い笑い声を上げ、頭を掻いた。
「ははは。まだ寝惚けているな。風に当たってきたらどうだ?」
頷き、再び欠伸をし、この部屋を出る。
パパスは、息子に、苦労をかけたくは無かった。
だが、今回の冒険・・人探しは、過酷なものだとは充分に理解していた。
母親は、ファイブを産み、直ぐに、魔物に連れ去られてしまった。
行方は知らず、ただ、人に聞き込みをしていた。
魔物は多く、危険な旅だったが、父親並に、息子を守り抜いてきた。
息子には、一つだけ伝えていない事があった。
しかし、この事は、誰かに知られたら、とんでもない事になるだろう。
「お父さん!」
剣の手入れに意識を凝らしていた為、少し驚いた。
声の主は、ファイブだった。
「おお、どうした?」
剣を一旦床に置き、息子の顔を見据える。
少し照れた様に、項垂れ、後ろの袋から何かを取り出した。
そして、父に誇らしそうに見せた。
「はい!これ、お父さんにあげるよ!!」
受け取ったのは、綺麗な緑の葉っぱだった。
そうか、もう、春は真近なのか・・・・・。
季節の移り変わりに切なさを感じながら、頬笑み、それを袋に入れた。
そして、頭を優しく撫でた。
「じゃあ、行って来るね!他の所、探検してくるよ!!」
駆け足で、部屋を出て行った。
潮風が、優しく頬を撫でていく。
柵に凭れ、少し溜め息を吐いた。
パパスは、忙しくても、我侭を言えば、少しは遊んで欲しかった。
仕方が無かった。年頃だから。
子供は、小さい時、遊ぶものなのに、何故、旅に行かなければいけなかったのか・・・。
でも、考えれば、パパスと、一緒に居られるだけでも、幸せだった。
母親の顔は知らず育ったものだから、すっかり‘お父さん子‘だった。
それに、召使のサンチョも居たっけ・・・・。
今頃何処で、何しているんだろう・・・・・・・・・。
暇だったので、そんなに広くない船の中を探検する事にした。
思わず憧れてしまう、船長が、運転していた。
「坊や、向こうで遊んでなさい。」
緑色の帽子を被った男の人が、注意を促した。
素直に従うと、息を切らしながら、こちらに向かってくる男性が目に入った。
「坊や、パパスさんに、もうすぐ到着だって事、伝えてくれないかな?」
呼吸が収まると同時に、ファイブに伝えた。
「いいよ。」
そう言うと、急いでパパスの所に走っていった。
2008年08月27日 Posted by チャッピィーのドラクエ日記 at 20:20 │Comments(0) │TrackBack(0) │小説{ドラクエ5}
第一話 産声 {ドラクエ5スタートです}
時計が、音を立てて時を刻んでいく。
残酷な時ではない。
それは、祝いでもあり、緊張の時だった。
刻一刻と迫る出産の時。
ウロウロと、その場を彷徨いながら、妻、マーサの夫が尋ねる。
「まだなのか・・・・?遅いぞ・・・・。」
隣に居た女は慌しそうにしていた。
流石に怒鳴ったりはしなかったが。
身体つきはがっしりとしており、周りから見れば、いかにも‘戦士‘だ。
名はパパスと言う。
「産まれになりました!!」
扉が軋んだ音を立てながら、太った男が出てきた。
顔は嬉しそうにしながら、パパスに声をかけた。
その顔を見て、両方無事なのを悟り、安堵の息を吐いた。
「サンチョ!マーサは無事だったか!・・・して、赤子は!?」
太った男・・・サンチョは頷き、穏やかな頬笑みを返した。
「男の子です!」
サンチョはその場に残り、パパスが妻に駆け寄るまで、穏やかに見守っていた。
彼は、召使である。血筋は繋がっては居ない。
だが、本当の家族の様に、毎日過ごしていた。
「マーサ!!」
駆け寄ったパパスの瞳に映ったのは、可愛らしい我が子だった。
妻は少し青ざめているが、元気そうだった。
パパスの顔を見て、安心し、早速男の子に名前を考えた。
「・・・・・トンヌラと言うのはどうだ?勇ましいと思わないか?」
少し考えた後、提案を浮かべ、相談した。
マーサは、穏やかな笑みを浮かべ、頷いた。
「そうね。かっこいい名前だわ・・・。けれど、初めから考えていたの。
ファイブと言う名はどうかしら?」
パパスは、考え込み、少し顔を顰めた。
「どうもパッとしない名前だが、お前がそう言うのなら・・・!!」
我が子を抱き上げ、微笑んだ。
「今日からお前は、ファイブだ!!今日からお前は家族の一員だぞ!!」
マーサは、頬笑みを返し、しかし、体力の消耗が激しく、咳き込んだ。
パパスが、寄り添い、見守った。
赤子の産声は、天空に響き、木霊していた。
残酷な時ではない。
それは、祝いでもあり、緊張の時だった。
刻一刻と迫る出産の時。
ウロウロと、その場を彷徨いながら、妻、マーサの夫が尋ねる。
「まだなのか・・・・?遅いぞ・・・・。」
隣に居た女は慌しそうにしていた。
流石に怒鳴ったりはしなかったが。
身体つきはがっしりとしており、周りから見れば、いかにも‘戦士‘だ。
名はパパスと言う。
「産まれになりました!!」
扉が軋んだ音を立てながら、太った男が出てきた。
顔は嬉しそうにしながら、パパスに声をかけた。
その顔を見て、両方無事なのを悟り、安堵の息を吐いた。
「サンチョ!マーサは無事だったか!・・・して、赤子は!?」
太った男・・・サンチョは頷き、穏やかな頬笑みを返した。
「男の子です!」
サンチョはその場に残り、パパスが妻に駆け寄るまで、穏やかに見守っていた。
彼は、召使である。血筋は繋がっては居ない。
だが、本当の家族の様に、毎日過ごしていた。
「マーサ!!」
駆け寄ったパパスの瞳に映ったのは、可愛らしい我が子だった。
妻は少し青ざめているが、元気そうだった。
パパスの顔を見て、安心し、早速男の子に名前を考えた。
「・・・・・トンヌラと言うのはどうだ?勇ましいと思わないか?」
少し考えた後、提案を浮かべ、相談した。
マーサは、穏やかな笑みを浮かべ、頷いた。
「そうね。かっこいい名前だわ・・・。けれど、初めから考えていたの。
ファイブと言う名はどうかしら?」
パパスは、考え込み、少し顔を顰めた。
「どうもパッとしない名前だが、お前がそう言うのなら・・・!!」
我が子を抱き上げ、微笑んだ。
「今日からお前は、ファイブだ!!今日からお前は家族の一員だぞ!!」
マーサは、頬笑みを返し、しかし、体力の消耗が激しく、咳き込んだ。
パパスが、寄り添い、見守った。
赤子の産声は、天空に響き、木霊していた。


