第五十四話 漲る力

エイトの胸元を掴み、鋭い腕を突き刺そうとした。
刹那の出来事。
「触るんじゃねぇっ!!」
隣に居たククールが叫ぶ。
転がった剣をすぐさま拾い上げ、跳躍する。
「邪魔だよ。死ね」
軽く言うと、手から、禍々しい黒い球が現れた。
それを、空中へと放つ。
「!!」
気が付けば遅かった。
それは、宙を舞い、横腹を焼き尽くす。
火弾呪文メラゾーマと似ているが、威力は、尚更こちらの方が強い。
焼き焦げた脇腹を押さえ、荒い息を吐きながら見据える。
指の間からは、血が滴り落ちてくる。
意識が、闇へと消えそうになるが、なんとか堪えた。
「感心するね。まったく。これを喰らっても息が有るとは・・・・。」
しかし、それでも立ち上がり、呪文を唱える体勢に起った。
「ククール、止めろ!そんな事しても、身体が悲鳴を上げるだけだ!!!」
悲鳴ならとっくに上げている。
立っている事さえ、やっとの事だから。
ふら付き、頭が、思うように働かない。
レイナとローズが、近寄ってくる。
「ラルフ!止めなさい!!」
ククールの前に堂々と立ちはだかった。
「何だ?愛しのローズよ。」
その言葉に吐き気を覚えながら、ローズは淡々と言葉を継げた。
「貴方って最低ですわ。」
一瞬耳を動かして、表情が怒りに変わったのが目に入った。
ラルフとは、かなり仲が良かったみたいだが・・・。
後ろで、膝を突く音がし、レイナは振り向いた。
「レイナ、回復呪文を施して。」
視線をラルフの方へ向けたまま、ローズは優しく言う。
「う・・・うん!」
駆け出す音を聞き、強引にエイトを引き剥がした。
女とは到底思えない力だった。
仰向けに倒れ、尻餅を突いた。
「ローズ・・・・何するつもり・・・?」
エイトが曖昧に尋ねが、聞き入れなかった。
「ククールの件では、申し訳ありませんでした。でも・・・・」
エイト達の方へ振り向き、小さく微笑んだ。
それは、憂いがあり、悲しく、淋しい笑顔だった。
「貴方達と短い間でしたけど、とても大切なこと、学びましたわ。
お世話になった事・・・。そして・・・」
ゼシカの方へ視線を送る。
「ありがと・・・・。色々・・・。じゃぁ、また・・・会いましょうね・・・いつか」
そして、怒りを込め、ラルフの方へ向く。
「私を殺しに来たんなら、覚悟は出来てます。だから思う存分やりなさい。
町の人を巻き込みたくは有りません事。」
ラルフは、嘲笑し、高笑いを続けた。
ローズは、自らを犠牲にする気だった。
「ローズ!!駄目だ!お前死ぬぞ!?」
あれだけ露骨に毛嫌いしていたククールだったが、今は嫌いにはなってなかった。
しかし、聞き入れず、ローズはラルフの方へ身体を預けた。
「お願い。好きにして。私を殺しても、この人達を殺さないで・・・・。」
涙を初めて流し、強く願った。
ラルフは、頷き、刃を腹に刺す。
「ああ。ゆっくり休むが良い。永遠の眠りに・・・・な。」
ゆっくりと仰向けに斃れ、血が噴き出した。
噴水の様に真紅が悲しく、吹き出ていた。
「ローズ・・・・。」
信じ難い思いで、胸は満たされた。
「馬鹿め!そんなことはあるか!暗黒神様を痛めつけた代償は、こいつらの命なのだからな!
仲間など聞いて呆れるわ!馬鹿馬鹿しい!」
ラルフは高笑いを続け、揺るがすほどの高笑いだった。
「う・・・・うわぁぁあぁぁあああぁぁ!!」
頭を抱え、エイトは喉も嗄れるほど、叫んだ。
ローズは、微笑んで息絶えていた。
「・・・・・・・・畜生。」
ククールが、恨めしそうに呟く。

またか・・・・・。
これで何回目だ?目の前で死んだ人を見るのは。
同じ事繰り返してるだけじゃねぇか・・・・・。
院長もそうだったな。婆さん、そして、ローズ。
こんな事して何になるんだよ。虚しいだけじゃないか。

ラルフが、凄まじい殺気を感じ、振り向いた。
「エ・・・・イ・・・・ト・・・・!?」
みると、身体に力が溢れていた。
両足に重心をかけ、気を溜める。
虚空に、対抗するように咆え続ける。
目を閉じ、怒りのままに、理性を破壊する。
そして、目を見開くと、気は、一気に爆発した。
小さな石ころが破裂し、飛ぶ。
身体は紫色に染まり、槍が軋んで居る。
睨み、ラルフは怯え、仲間達も怯えていた。
殺気がこれほど、強いとは、エイトも人間離れしている。
仲間たちも、人間離れしていると言えばしているが・・・・。
「絶対許さない。お前を地獄に落としてやる。」

目は鴉の如く黒かった瞳は、赤く燃えていた。





スーパーサイア人じゃありません。
スーパーハイテンションです・・・・・・・。
こんなんになりますよ・・・・・・{苦笑}



2008年07月31日 Posted byチャッピィーのドラクエ日記 at 21:24 │Comments(0)TrackBack(0)小説{ドラクエ8}

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